2014年6月開催の事前勉強会発表資料及び9月開催の視察報告会の発表資料は、
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グローバル化が、更に進んだSHRM2014オーランド大会! |
年々増え続ける世界最大(会員約27.5万人)のHRプロのコミュニティーである人材マネジメント協会(SHRM)の2014年度年次総会が、6月22−25日の4日間、フロリダのオーランドで開催された。
今年は、展示要員も含めると80カ国から約18,000のHRプロフェッショナル(以後HRプロ)が集結、海外からは1145名が参加した。多い順から、カナダ、韓国、ナイジェリア、中国、サウジアラビア、バハマ、ブラジル、日本になります。これらの国の他に、オーストラリア、バングラデッシュ、バーミューダ、ケイマン島、ガーナ、ジャマイカ、イスラエル、パキスタン、カタール、台湾、タイ、トリニダード・トバゴ、トルコからは、2桁の参加者を記録し、海外からの全参加者は、過去最高になった。 SHRMコンファレンスでの参加者の多くは、HR managerやTalent Manager、更には、HRプロを目指す人であり、約70%が、女性参加者である。この分野では、ウーマンパワーが圧倒的な存在感がある。 今年の基調講演者は3名で、その中でも、Pizza Hut、Taco Bell、Kentucky Frided ChickenのCEOであるDavid Novakの基調講演は、大変興味深いものでした。ジャック・ウエルチ、ウォーレン・バフェット等の名経営者からも、偉大なリーダーだとか、モチベーターだと賞賛されています。今まで、活力のない多くの組織をやる気集団に、変えている。その手法として、マスコットのフロッピー チキンや、$100程度の気持ちばかりの賞金を有効に活用している。 企業規模を成長させるため、既に4000名のリーダーを育てたが、それをさらに、10倍の規模の40,000名のマネジャーに育てあげると言う、そのバイタリーティが、この会社の力の源泉なのである。 現場での常日頃からの声がけなど、「やる気」が出てくる職場風土づくりは、日本の外食産業でも共通している。6月に就任したローソンの新社長も、現場での意識改革を優先して実践しているとのことなので、小売業にも共通していると言えまよう。 |
HRプロの認証で、影響力を更に高めた人材マネジメント協会SHRM |
特に、世界で13万5000名のSHRMのHRプロの認定者にとり、最大のニュースは、新SHRM HRプロ認定が、2015年より開始される。
すでに発表された新SHRMコンピテンシーでは、効果的にパフォーマンスを達成するための知識(knowledge)と行動(Behavior)の両面を重視する行動主義を強化しています。従い、知っているだけで、行動が伴ってない人は、不適格ということになる。 さらには、「ビジネスにどれだけ貢献したか?」も重視することになる。 また、今後は、米国以外のグローバルHRプロの養成に力をいれるため、海外のHRプロには、米国法を除いたSHRM認定として、既に、HRBP(Human Resource BusinessProfessional)や、HRMP(Human Resouce Management Professional)が既に新設された。今回、HRMPの学習システムを購入して、その概要を検討してみたが、タレント・マネジメント、戦力計画等の戦略的人材マネジメント、ビジネスへの貢献を意識した内容が目立っている。 新SHRMコンピテンシーは、2012年にその概要を決定し、2013年には、アセスメントツールを発表、2014年には、従来のSHRM認定を新SHRコンピテンシーベースに改訂することを発表しました。来年2015年5月から、正式に開始される。
SHRMの活動を支える関連団体も強化し、米国国家規格協会ANSI(American NationalStandard Institute)や、米国国家認証局NCCA(National Commision for CertifyingAgency)からのHRプロの認証を得る予定だ。 新SHRMコンピテンシーは、米国内での認知を不動のものにすることで、これを国際標準としても、認められる流れが強まることになろう。 米国タレント開発協会ATD(従来のASTD)とは、従来から、密接な協力関係にあり、相互の存在と認定を相互に認め合うことで、更なる広がりを目指している。 ATDのL&Pプロ認定(CPLP)との棲み分けが進み、タレント開発報告指針(TDRP)もANSI HR標準に含める動きも進展する。 |
SHRM2014コンファレンスでのキーワードは? |
今年のSHRM2014、及びASTD2014のキーワード動向を調べてみた。
今年のSHRM2014アプリでは、日にち毎の検索が中心で、SHRM2014の検索は、PCサイトの検索を利用。ASTDは、ASTD Eventsのアプリを活用して、キーワード検索した結果を下記に示した。 興味あるテーマが、パフォーマンス・マネジメント、タレント・マネジメント、ダイバシティ、HRメトリックス, ソーシャルメディアでの社内活性化、採用分野でのソーシャルメディアの活用、HR標準化では、SHRM2014の方が、役立ちそうですが、イノベーション、効果測定/ROI、アナリティクスでは、ATD(ASTD)2014の方が、多くの情報をみることができる。 従い、どちらに行ったら良いのかを議論するより、皆さんは、どんな課題を抱えているのかを念頭に、その解決に役立つ情報は、どこから得られるのかを検討し、その都度適宜判断して、使い分ける。
この2つの選択肢以外にも、多くの情報ネットワークが存在するが、それぞれの強みにおいて、有力企業や地域社会に対して、更には、グローバル・ビジネスに、どれだけの影響力があるかが課題になる。 今年のSHRM2014オーランド大会では、ANSI版のパフォーマンス・マネジメントの浸透が、見られるケースが多々散見された。アドビやマイクロソフトでの人事評価改革が、注目される現在、この動きは、更に進展することになろう。 タレント・マネジメントの世界的な普及を念頭に、新SHRMコンピンテンシーの改訂が行われ、2015年からは、これを勉強しないと新しいSHRM認定を取得できなくなるため、今後は、タレント・マネジメントや戦略的人材マネジメント、更には、ビジネスへの貢献を議論する機会が増えよう。 来年、2015年のSHRMラスベガス大会では、これらの発表や議論が増え、その議論もより充実した内容になろう。 |
充実したSHRM関連組織からの支援で、グローバル活動の活性化を促進 |
海外のHRプロがSHRMのHRプロ認定を取得しようとする場合、最大の課題は、言語(英語)の壁より、年々強化される米国労働法の知識等、米国で活躍するHRプロに要求される内容が多くなる。
もし、海外のHRプロにも、米国法の知識を要求して、認定者を決めるとすれば、海外HRプロには、至難の認定となる。しかし、その内容をグローバルリーダーに共通して役立つ内容にすれば、海外の学習者の学習意欲も増すことになる。これが先に報告したHRBP(Human ResourceBusiness Professional)や、HRMP(Human Resouce Management Professional)の認定制度である。 今では、海外のHRプロ志願者も活用できる奨学金制度も登場した。 これらの支援活動を実施しているのが、SHRM Foundation(SHRM財団)である。 従来、SHRM財団は、各種の調査活動への支援、HRプロを目指す人への各種の支援活動他を行って来たが、この枠を広げて、HRBPやHRMPを目指す海外のHRプロ志願者にも枠を広げ、$800ドルの奨学金を提供している。SHRM奨学金の詳細は、こちら。 この効果もあり、HRBPやHRMPの選考委員会のメンバーの殆どが、米国以外の国のHRプロがになっている。その中には、ナイジェリア、アルゼンチン、イラン、オーストラリア、ブラジル、アラブ首長国連邦、台湾、フランス、スイス、中国、インドからのHRプロが活躍しているが、日本からは、まだだれも選ばれていない。
今後は、日本のHRプロも、グローバルな戦略的ビジネスリーダーとして活躍する人材が求められている。 また、SHRMには、HR People & Strategy(HRPS)と呼ばれる関連団体があり、People& Strategyを中心としてテーマに絞ったフォーラムを開催している。 大手HRコンサルタントが中心になり、大手企業を主な対象として、各種のフォーラム活動をしている。 より詳しいSHRM2014コンファレンス視察報告を2014年9月27日の戦略的人材マネジメント研究会で、聞くことができる。 今年のSHRM2014コンファレンスを念頭に、「これからの日本の人材マネジメントは、どうあるべきか!」を、次回の戦略的人材マネジメント研究会で考えたいと思います。 詳細は、こちら。 |
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