メンターとは?


メンターの由来は

 メンターは、トロイア戦争後のオデェッセウス(Odysseus)王の流浪を歌ったホメロス(Homer)の叙述詩『オデュッセイア(The Odyssey)』の登場人物である「メントール(Mentor)」という男性の名前にその語源があります。このメントールという男性は、オデュッセウス王のかつての僚友であり、王の息子テレマコス(Telemakhos)の教育を託された賢者でした。メントールは王の息子にとり、良き指導者、良き理解者、良き支援者としての役割を果たした人物のことです。
 この由来に基づき、メントールが、英語では、メンター(Mentor)と言われるようになりました。また、メンターの対の言葉として、被支援者、被後見人、という意味の「メンティ(Mentee)」という言葉が用いられています。
 ギリシャ時代の伝説では、メントール(後に英語でメンター)は王の息子にとっての良き指導者、良き理解者、良き支援者としての役割を果たした人物として伝えられており、帝王学や人を導き、指導・支援するスキルが、語り継がれて、現代ではメンタリングと言われるようになりました。その指導法・支援法は、古代ギリシャ時代からの大きな課題であり、歴史が古いからと言って、中身が古臭いことを意味しません。現代では、正に必要とされる普遍的な部分を指しており、昔から語り継がれたものを集大成し、権威を示して従わせるより、人間力を重視した支援型のリーダーシップ手法の集大成とも言えます。
 尚、メンタリング(Mentoring)は、MentalやMentalityとは、語源的には関連性がありません。


メンターとはどんな人

  まず、メンターとして重要な点は、成功体験を実現するためのお手本をロールモデルとして、他に見せ、目標達成のイメージを明確にし、成功した時の楽しさ、やりがいを「語る」ことで、仕事のやる気を高めることです。自分の体験を教えるだけでなく、現状把握を通して、どのように対応するべきかを自分で考える支援をします。この点は、コーチと大きく違う点です。
 コーチは、相手の潜在的可能性を見出し、いかに育成することを視点に支援をする点は、同じですが、成功体験、専門知識、お手本(ロールモデル)を自分が示すことを必ずしも要求されないため、プロセス管理に重点をおく傾向があります。また、メンターは、メンティの中長期的なキャリア支援をすることで、やる気を高め、業務の達成を通して、人間的な成長も支援します。社内外で必要な人脈を構築し、それらの人を必要に応じて、引き会わせたりします。メンティの支援者としての尊敬信頼を勝ち得る必要があります。
 また、メンターの活躍する分野は、とにかく広いものがあります。困っている人に対しては、対価とは関係なく、支援の手を差し出す人です。支援が生きがいの人でもあります。ベンチャーの起業に大きな支援の手を差し延べたスタンフォード大学工学部の教授は、メンターと呼ばれ、シリコンバレーの発展に大きく貢献しました。
 ダイバーシティ(多様性)の高い社会では、メンターの存在が社会への同化には不可欠であり、女性や少数民族の人達が、社会に溶け込み、リーダーとして活躍するには、メンターの支援が大変重要な役割を果たします。企業の中では、社員の育成から始まり、重要取引先・顧客の支援をするのも、今では、メンターの役割です。会社の継続的な発展を実現するために、メンターは、重要な役割を担っているのです。
 日本では、新入社員の早期立ち上げがよく知られていますが、その他、次世代人材の育成プロフェッショナル人材の育成、更には、女性リーダー、海外の人材への支援も、メンターの重要な役割になります。


メンターになるには?

 メンターになるには、何か資格が必要なのですか?
メンターになるかどうかは、メンター役が業務上必要であれば、その機会は沢山あります。
 未経験者を、経験者として、指導・支援する役ですので、必要な業務に関し、ある程度の経験が求められます。しかし、最初から、すべての知識と経験が備わっている人は、限られているために、メンタリングを進める過程で、下準備をすることで、これを補っているのが、通常です。重要なのは、知識がある無しではなく、メンティの支援者として、良き話し相手として、気づきを与え続け、やる気を引き出せるかどうかにあります。メンタリングは、本来、自己流従来のやり方押し付けるのではないからです。全く経験のないメンティには、必要に応じて、従来のやり方をお手本(ロール・モデル)を示しますが、これを参考に、状況に適応した顧客が満足するものをメンティ自らが創造することを支援するのが、本来メンタリングです。この育成経験を通して、メンティから信頼を得られれば、効果の高いメンター実績を得られることになり、将来はリーダーへの道が開かれます。
 メンターの機会があったら、まず挑戦することで、自分も大きな気づきを得ることが出来ます。成果の高いメンター実績は、リーダーへの登竜門となるのです。また、メンター実績を高めることで、メンタリング・ネットワーク、役立つ人脈を構築し、成功している人もたくさんいます。
 自分を試す良い機会として、メンター経験を積極的に活用して下さい。多くの学び発見があることでしょう。


メンターは、誰がするべきなのか?

 メンターは、上長が兼任するべきなのか、それとも経験のある社員をメンターとしての教育をして、育成を担当させるべきか、或いは、同じチーム内に適任者がいない場合には、組織横断的にメンターを設定するべきなのか、いくつかのやり方があります。メンバーが少ない場合、上長の専門性が高く、育成が可能な場合には、上長がメンター兼任で進めることは可能でしょう。
 しかし、上長が見るべきメンバーの数が多く、多忙で、育成知識、育成経験が十分と言えない場合には、メンターとして活躍出来るかどうかは疑問です。そのような場合には、上長がメンターになるより、優秀な若手社員を育て、他のメンバー育成の素晴らしさを知らせ、メンターをモチベーションすることで、メンターとして、活躍する職場環境をつくることです。最初のメンタリング・プログラム実施する前には、必ずキチンとしたメンター研修を受講する機会をつくり、メンバーを指導・支援するスキルを学ばせると共に、メンター体験の素晴らしさを実感として味わう機会をつくることが重要です。その後は、上長が、メンティの育成が効果をあげているかを「見える化」する必要があります。
 上長が、メンターを兼任する場合には、気楽に分からないことでも、相談できる雰囲気をつくることが重要です。上長が、評価者としての対応をいつもしていると、気楽に相談し難い雰囲気が出てくる可能性がありますので、注意して下さい。
 尚、一般的には、組織横断的なメンターの方が、メンティからの感謝度が高くなることもあり、良い結果が観察されたケースが多く報告されています。
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