続々登場するSHRM/ANSI版人財関連指標 |
先進諸国及び急成長するアジア諸国での資金調達をしている企業では、一般的な財務諸表の開示だけでなく、下記の人財関連指標の開示を投資家から求められるケースが今後増えます。
投資家にとり、一般的な財務諸表だけでは、会社の将来性を判断するのは難しいと思われているからです。 米国ではすでに、官公庁、大企業には、雇用機会均等を遵守するため、人材・人財関連情報の開示(EEO-1)の提出が、義務付けられていますが、投資家の要求に応じて、上場企業にも適用する動きがあります。 投資家からの正しい理解を得るには、会社の将来を判断するために必要な人財関連指標を開示することで、米国家規格協会ANSIで基本合意され、2012年3月には、Cost perhire(HRプロの一人当たりの人件費)条項が既に認可されました。 更には、Workforce planning(戦力計画)条項は、ダイバーシティ用の人材・人財指標を含めて、ANSIにて検討中です。 それとは別に、事実上のデファクト標準になっているCenter for Talent Reporting(CTR)が開発したタレント開発報告指針TDRP(Talent Development Reporting Principles)ベースで、再度検討するとの話もあります。 |
SHRM/ANSI 06001条項の一人当たり人件費(Cost per hire)は、HRプロ人財に対しての人件費を提示することを求めています。これは、社員全員の人件費ではありません。
なぜ、HRプロに注目するのか? 今後の人材・人財戦略の中核を担うのは、HRプロだと思っているからです。 HRプロは、将来戦略の要となる戦力計画を練り、社内の人財開発を行い、足らない人財を外部から採用し、重要な役割を担っていると思われているからです。「これからのHRプロは、戦略的ビジネスパートナーSBPになれ」と期待されています。 これは、従来の「人事屋さん」の数と経費を出せと言っているだけではありません。あくまでも戦略的ビジネスパートナー(SBP)として、活躍している社内外の専門家及びそれを支えるマネジャーがどれだけいて、そのための、採用、活動支援や育成にどれだけ投資しているかの情報開示を求めています。 「将来、成長できるかどうかは、技術力だけでなく、HRプロの充実度次第だ」と多くの投資家は考えているからでもあります。 また、CPHI(社内用の指標)とCPHC(他社との比較用の指標)をそれぞれ別々に開示することを求められます。 内部人財と外部人財への投資のどちらに力を入れているのかを採用投資比率RCRとして明示する必要もあります。
この基本コンセプトを理解して、実施している企業がまだ限られている現実を考えると、たとえ、これらの指標が出ても、その数字の信ぴょう性に関しては、一抹の疑問が残りますが、将来を見据えた新しい試みとして、注目されています。 |
SHRM/ANSI 06003 Workforce Planning (戦力計画)条項では、将来の戦力計画に関しても、人財指標の開示を求めています。
これは、「将来予測と、今後の社内の構造改革の道筋を示せ」と言うことになります。 特に、注目すべき点として、従来は、コンプライアンス指標が中心でしたが、ANSIでは、これに加え、効果性指標を追加しました。 また、人材・人財関連指標にもインプット指標とアウトプット指標がありますが、これだけ、多くのアウトプット指標が議論されているという点も、注目を集めています。 これらのトレンドを念頭にいれて、自社の状況をどう説明するかで、企業イメージも相当変わります。 これらの指標を単純に計算するのは、そんなに難しいことではありませんが、それがどんな意味を持っているのか、投資家や専門家には、どう説明したら、どんなインパクトを与えられるのか、果たして、それで良い効果が得られるのかを事前に判断する必要があります。 日本の中小企業でよくある事例は、折角良い人財を抱えながら、その人財の活躍により、明るい将来が期待できるのか、投資家に示せているかです。明るい将来をきちんと投資家にも見せられないと、将来性がたとえ高くても、資金集めに苦労することになります。 そういう企業は、まだ「戦略的な対策を出せる状況にはない」と思われましょう。今後、アジア諸国との競争でも、技術レベルに大きな違いがなくなって来ており、技術を持っているだけではなく、それを活用して、どう戦略的に成功に導けるかが最大の成功要因になります。 それを示す絶好の機会が、この戦略的な戦力計画(Workforce Planning)条項になります。 詳細の戦力計画(Workforce Planning)やタレント・マネジメントに関する詳細情報は、タレント・マネジメントコースで学ぶことができます。 |
Center for Talent Reporting(CTR)が開発したタレント開発報告指針TDRP(Talent Development Reporting Principles)は、既に業界標準として徐々に普及するようになっています。 Talent Development Reporting Principles(TDRP)とは、どんなものなのでしょうか?
このTDRPは、業界の権威からの助言も得ながら、教育効果測定では、定評のあるKnowledge Advisors社(現在のCEB社)が、企画制作したが、現在は、NPO法人であるCenter for Talent Reporting(CTR)が中心に各種の普及活動やワークショップが行われています。 このTDRPを採用することで、上級管理職者が必要とする人材・人財開発の動きを4半期毎に把握して、その改善の方向性を見出し、早めの軌道修正を可能にします。 当センターは、Center for Talent Reporting(CTR)の会員であり、TDRPに基づく報告づくりの支援、更には、ワークショップも開催しております。 |
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国際メンタリング&コーチングセンター
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