現場力とは?

サービス業での「現場力」とは?

 生産現場においては、常時発生する問題を自ら解決する能力が求められています。その中で、一番重要になるのが自律的問題解決力です。現場での問題点を見える化することで、現場の問題意識を高め、自ら改善努力する風土を確立することが求められます。
 また、小売業や教育業のサービス業では、問題解決能力の他に、市場やお客の動向を敏感に感じ取る能力とその変化に対応する能力(変化対応力)、多様な要望に応じる力(個別対応力)も同時に求められています。一般的には、市場が成熟化し、顧客のニーズが多様化すると、従来の一般商品や、標準的なサービスでは、満足しない消費者が増えます。このような状態では、サービスの現場が、お客のニーズや要望を真摯に受け止め、それに応えようとする意気込みがあるかが勝負の決め手になる訳です。更には、生活や職場に密着した提案をする提案力とその実行力が求められるのも当然の流れです。

「現場力」を発揮する鍵は?

 それでは、現場力の養成には、どんな配慮が必要なのでしょうか? 少なくとも相手のおかれた状況を示す情報や知識、それを実現するスキル・ノウハウは当然必要ですが、目標達成への意志や信念、動機づけに支えられ、それなりに活かすべき才能があることが必須でしょう。
 また、目標を達成した時の充実感や達成感を味わえる機会があるかどうかです。そのためには、職場での支援やその仕組みづくりは不可欠です。現場力は、個人だけで発揮されるのではなく、チームプレイとしてようやく発揮出来るものなのです。  
 強い現場をつくるには、次の7つの条件が不可欠になります。 
(1)現場を重視し、人財を育てる職場風土があるか?
(2)活発なコミュニケーション有言実行の風土があるか? 
(3)共鳴協創の協働環境があるか? 
(4)現場に「見える化」の仕組みと改善を促す支援があるか?
(5)PDCAの改善チェック機能があるか?
(6)自律、改善する意欲が旺盛か? 
(7)継続力粘り、執着心、愚直さ)があるか? 

 このうち、3つが職場風土で、2つが仕組み、残りの2つが本人の努力となります。それだけ、職場風土仕組みが重要であると言うことになります。
 この中で、最低限自律的な活動は必要ですが、チーム内の協力関係と情報共有の意識が機能しているか、自律と協働、改善のための互いのチェック機能が作用しているか、これらを各マネジャー、リーダー、メンターが調整、支援していくことになります。各種のリーダーシップの使い分け、自発的な活動を促す見える化の仕組みづくり支援活動が効果を引き出すポイントになります。

 だが、これだけチェック機能を強化すると、堅苦しい職場になり、誰かにいつも見られているとの意識を持つようになり、自分たちが動かしている職場の意識が薄くなりかねません。
 そこで、発想の転換をすることで、チームや組織だけに注目するのではなく、各個人の才能資質にも注目し、才能を100%以上引き出し、やりがいを高める仕組みを組みこむことが必要になります。これは、組織と個人の整合性を高めながら、現場の人財育成にあたることであり、これがメンタリングの基本概念なのです。この整合性が高まった時、個人と組織は、WIN−WINの関係になりうるのです。詳細の引き出し方は、これぞ、世界のメンタリングコースにて、学べます。


現場力を発揮しやすい逆ピラミッド組織とは

 ところが、上司から言われたことだけする現場では現場力の養成は難しいのが現実です。一般商品やサービスメニューに無いものにもどのように対応するのか、今までに無いものに個別対応出来るかが求めれており、これはピラミッドの階層組織では対応出来るものではありません。これに対応出来る能力を養うために逆ピラミッド組織構造で実現している事例が増えています。例えば、米国の高級デパートのノードストロームでは、売り場セールスマンに一部の裁量権を与え、意欲をたかめ、成功を修めています。日本の伊勢丹も、売り場改革を現場中心に推進し、成功した事例など、現場中心の活動による成功事例が増えています。

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