グローバル人財マネジメントの10の課題(パート1) |
国内ビジネスの成長は、今後は、期待できないこともあり、アジアを中心としたグローバル・ビジネスの展開が注目されています。アジアの優秀なグローバル人財は、欧米の有名大学で学んでいることもあり、グローバル人財マネジメントの重要性が注目を集めています。
今年、デロイト大学プレスが発行したグローバル人財の動向報告(Global HumanCapital Trends 2015)として、10つの課題を取り上げています。これらは、多くのグローバル企業でかかえる課題であると同時に、グローバル・ビジネスを強化するための秘訣ともなります。 「コミットメントの引き出し」の重要性は、日産自動車を立て直したゴーン社長が活用している。これは欧米でよく行われるマネジメント手法であり、日本でも知られる様になりました。この手法は、伝統的な日本企業でも、大きな効果を発揮し、2015年は、トヨタ自動車より高い5000円という過去最大の賃上げを達成しました。 ゴーン社長は、コミットメント文化と共に、欧米式のタレント・マネジメントを同時に導入しました。 例え、伝統的な日本企業であっても、熱心な経営トップが強力に推進すれば、タレント・マネジメントは、キチンとその機能を発揮できるということを意味しています。 かつてから、多くの日本企業では、入社後の人財育成・人財開発に力をいれ、社員のスキルの上達に努めてきました。このため、若手社員を中心に、多くの研修を実施しましたが、学んだスキルが実際の業務にどれだけ活用されたのか、それが、業績にどれだけ貢献したのかを検証しないまま、イベント化してきた経緯があります。 欧米企業では、過去の習慣や成功体験をそのまま学ぶのでなく、市場環境の変化を感じて、それにどう対応するべきかを自ら学ぶLearning & development(学習と人財開発)に力をいれ、考える場づくりと相談相手を提供する支援(メンタリング)体系を強化しています。その結果として、協創の職場環境が構築され、独創的な発想を作り出していると言えます。 特に、アドビやマイクロソフト等のソフト開発企業では、従来のランク付け評価やアセスメントづけは、時間の浪費であり、創造的発想を引き出すものではないと判断し、従来のランク付け評価を廃止して、全面的にコーチング&人財開発型のパフォーマンス・マネジメントに転換した経緯があります。 日本企業においても、従来の発想とは違う若手人財、女性人財が、激変する市場の動向を適切にとらえ、それを改善するための知恵出しと実践を引き出すマネジメント手法に転換する必要があります。 このために、コーチングやメンタリング手法を活用したり、最新型のパフォーマンス・マネジメントを導入することで、職場の意識改革を推進して下さい。 色々な学びの機会をつくり、活性化が進んでいるかを「人材育成の見える化」して、職場の仲間が助け合うことです。 また、タレント開発報指針TDRP手法を活用して、定期的に組織全体のタレント開発状況を上級幹部や上級マネジャーにも報告し、迅速な対応や軌道修正に役立てることです。 優良企業では、定番として、タレント・マネジメントが導入されており、その気持ちさえあれば、職場が支える支援態勢があります。 当センターでは、これらのマネジメント手法を学ぶ場を提供し、同業者のネットワークの機会(戦略的人材マネジメント研究会)も提供しております。 |
グローバル人財マネジメントの10の課題(パート2) |
従来、古いタイプの人事評価制度が、長年続いていて、市場の激しい変化に対応できないとの声が沢山聞こえてきます。
「これからの人事」は、「ビジネス誘導型人事」にならねばならないと言われ続けてますが、一括採用人事や、穴埋め人事に時間を取られ、新任マネジャーには、従来型の評価者研修ばかりに力をいれる会社も、多々存在します。 「これからの戦略的な人材開発」では、職場で役立つスキルを必要にしている人の活用場面のイメージしながら学び、研修後は、それを活用する機会をつくり、その効果を検証することが求められます。
「これからの人事」は、グーグルが示してくれた如く、議論に役立つ各種のデータ分析をして、現状を把握した上で、より働き易い職場を実現する時代です。 また、「これからの人事」は、リンクトイン等のSNS情報も活用して、より効果的採用活動を実践することです。 大量の広告宣伝費を使う伝統的な手法で、企業イメージを高めるより、You Tube等の無料の情報媒体を活用して、より効率的に知名度を高める宣伝活動が盛んになっています。 これから市場に登場する多数のセンシング・デバイスや、スマートフォンを有効に活用することで、色々な可能性が広がります。 当センターでは、これらのHRアナリティクスやHRビックデータの分析手法を活用して、効果的マネジメント手法を提供します。 まずは、各種の個別セミナーで色々な可能性を感じながら、具体的実施事例の議論をする場を持ちたいと考えております。
多くの方の参加をお待ちしております。 |
国内ビジネスの限界から、グローバル・ビジネス強化の方針を打ち出したものの、まず何を見直すべきなのか、その成功の秘訣は何なのかを考えてみましょう。
例えば、M&A戦略で多くの企業を買収はしたものの、買収した企業の優秀社員は、「日本企業では、自分の能力を認めてもらえそうにない」と判断し、他社からの好条件のオファーを受け入れ、優秀な人財が流出したケースが発生しています。 日本企業では、社員の会社への帰属意識が高いこともあり、余程ことがない限り、長年勤めた会社を去るという選択肢は、ないですが、優秀なグローバル人財程、「日本企業では、ボード・メンバーには、日本人しかいないこともあり、日本企業では、自分には、将来がない」と感じるのが普通です。 伝統的な製薬会社として知られていた武田薬品が、近年、海外において、M&A戦略を強力に進め、今度は、フランス人のグローバル人財を本社の後継社長に抜擢したのをお聞きになりましたか? これは少なからず、日本人社員にとっては、驚愕の驚きに値する大事件なのです。 年々下がる一方の薬価やジェネリック薬品の急増により、日本国内での製薬ビジネスは、窮地に局面しています。これを打開するには、グローバル・ビジネスの成功が鍵になるという点で、共通認識は広がっているからです。 このため、将来性あると思われるグローバル企業を買収したものの、日本企業での伝統的なマネジメント手法しか知らないマネジャーでは、買収したグローバル企業の優秀人財を効果的にモチベーションし、効率的に活用して、業績をあげ、優秀人財の定着を促すには、相当な困難が伴うのです。 いくら現地のグローバル人財と、頻繁にミーティングを行っても、迅速な決断がなされなかったり、自分の意見が取り上げられないと感じると、この会社では、自分のやりたいことができないと判断し、他社からの好条件のオファーがあれば、そちらに乗ってしまうことになります。 所詮、日本人社員とグローバル人財の会社への帰属心やキャリア意識は異なり、日本人と同じマネジメント手法では、とても、やっていけないのです。 特に、欧米企業や伝統的な日本企業では、タレント・マネジメントの導入と運用にたけた経営幹部が必要になり、言葉や経験以外の点でも、色々な人材マネジメント上の課題が存在します。 これらの基本的課題に早めに対処するためにも、「タレント・マネジメントを有効に運用できるグローバル人財」や「効果的なパフォーマンス・マネジメントを実践できるグローバル人財」が、グローバル・ビジネスでは、必須になります。 詳細な運用事例とそのマネジメント手法は、タレント・マネジメントセミナー、及び、パフォーマンスマネジメント実践セミナーにて学びましょう。
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