「見える化」とは? |
「見える化」の考え方は、日本企業の生産現場において、実践されてきた伝統的な手法です。その原点は、「何か基本になる情報やデータを現場に提示することで、現場の人が自ら気づき、問題意識を高め、自ら改善する努力を促す仕組みをつくる」ことです。そのためには、各自の役割を明確にし、現状を理解出来る情報を日ごろから見える状態にし、関係者が協力して、改善する職場風土をつくることから始まります。「見える化」することで、@問題の早期発見と解決、A情報の公開により改善の活発化、B問題の顕在化により再発防止の3点が期待できます。
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「見える化」指標の事例として |
「見える化」の指標は、問題解決や改善・改革を進めるための核になる情報であり、その情報を念頭に改善すべきもので、良い結果に結びつけるためのプロセス改善運動です。また、「見える化」指標は、本来現場の管理職が判断するべき指標にも当たり、社員である限り、常に念頭に入れるべき重要な指標でもあります。従来、自分に都合の悪い情報は、関係者だけに囲われ、関係ない人には、秘密とされました。これでは、問題の所在はうやむやにされ、根本的な処置もなされず、担当者が変われば、忘れられるものとなります。そこで、都合の悪い情報を含め、業績に影響を与える鍵となる情報やデータを「見える化」し、担当者、関係者にその育成課題、育成責任の所在を明確にします。将来起こりうる問題に早めに対処する意識を現場にいだかせ、自ら改善する気持ちを育て、改善を促すのが、「見える化」の最大の目的なのです。 |
トヨタの「5回何故」とコーチングやメンタリングの違い |
トヨタの成功ストーリーが影響して、「現場力」や「見える化」が大きく注目されています。その成功要因で重要なのが、たゆまぬ改善を常に続けることであり、そのような風土は長年の企業風土として定着し、現場では、問題を見える化し、現場の人達が自律的に「反省」と「改善」を繰り返す習慣をつけることです。何か問題が発生すれば、5回何故と自問し、その原因をさぐる努力をします。これが可能なのは、十分にセルフ・モチベーションされた経験のある優秀な人材が多いからです。しかし、大方の中小企業では、この手法をそのまま真似しても、うまく働くものではありません。いくら5回何故と考えてみても、経験不足、考えるプロセスが把握されず、モチベーションが十分でない人は、自分でスムースに解決法を見い出せるわけではありません。 |
国際メンタリング&コーチングセンター