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(2)事例2:キャリア評価システムの導入検討中のIT企業 質問:同業他社でも、ITSS(ITスキル 標準、ITSkillStandard)に準拠したキャリア評価システムを導入したとか、検討中であるとの話が増えていますが、当社では、長年独自の職能資格制度があり、これを急に変更することには、動揺と混乱が予想されます。ITSSの導入のメリットと導入時に配慮すべき点としてどんな点がありますか? |
経済産業省の管轄下の独立行政法人であるIPA(情報処理推進機構)が制定したITSS準拠のキャリア評価システムの導入がIT関連企業を中心に進展しています。ITSSの基本的考え方は、IT関連企業以外でも、人材育成ガイドラインとして適用している所があります。現に、製薬会社がITSSを参考に導入した事例があります。
このガイドラインで示していることは、プロ人材のキャリアパスを早めに示すことで、閉鎖的、閉じこもりがちな自己中心的プロ人材から脱却して、チーム全体、社内全体、市場全体への貢献度を見える化し、それを評価する視点をキャリア(成功体験)として位置づけ、キャリア評価のガイドラインとして示します。従来は、とかくスキル中心、資格中心の人材育成が良く見られましたが、スキルとキャリア(成功体験)の両面からのアプローチを重視している考え方をとります。これはスキルより、むしろキャリア(成功体験)を重視する世界的な流れにその考え方を合わせるものであり、従来の国家公務員で使われてきたキャリアの意味とは異なり、全く新しい「世界の流れに転換した」ことを示しています。また、同じ業界内で、同じキャリア評価システムを導入することで、どこへ言っても共通のキャリア評価基準で判断されることになり、転職の可能性のある優秀な人材にとっても、非常に重要な意味があります。 貴社において、既に職能資格制度があるとのことですが、現在の職能資格制度では、ITSSの目指す広い視野で考えられる人材の育成が可能になるかどうかが重要なのです。つまり、自律したレベル3人材から、メンバーを育てられ、チームに貢献出来るレベル4人材、更には、社内全体でも貢献できるレベル5人材、市場全体の発展に貢献できるレベル6人材と言った共通の物差しをもつことで、今後の戦力強化の方向性が見やすくなりますが、「現在の職能資格制度で、今後必要になる戦力分析の指標として、ITSSと同等の役割が果たせるかどうか?」になります。もし、この判断が現在の制度で難しい場合には、早めに改訂を加えるか、ITSS的なキャリア評価システムの導入が必要になります。グローバル企業として、国際的な展開を目指す企業は、早めにITSSガイドラインを導入することで、世界の標準的なキャリア評価システムへの転換が容易になります。 |
ITSSを導入する場合の留意点 |
導入時には、社内版のキャリア評価システムを決定して、発表するだけでは、導入が進むものではありません。下記の根本的な課題への解決策に取り組む必要があります。
この中で、中間管理職の意識改革とキャリア支援のためのメンター教育と支援チームの結成が非常に重要な役目を果たします。 まず必要なのは、運用する上で明確にするべきガイドラインの作成です。従来、各部署で、自由に行ってきたキャリア評価に対して、全社的な共通の考え方をガイドラインとして示すことです。それは大変と思う方が多いですが、一般的にはITSSのガイドラインを基本的に採用して、必要な部分だけ、自社独自の内容に改訂することです。トップが率先して、導入する姿勢を示すことがまず重要です。特に、管理職に対して、説明会をするだけでなく、別途、管理職研修、評価者研修を実施し、職場でよくある事例で、演習を通して、理解を促す必要があります。従来の考え方とは、相当変わること、それがどのような意味があるのかを演習を通して感じると職場での実践が進みます。 更に、現場リーダーレベル、特にレベル3及び4の該当者に対して、どのような点を改善すると、更に上のステップに該当するのかを明確にし、人事考課でも現在の課題に関し、説明責任を果たす必要があります。一般的には、このレベルでは勝手に勉強しろと言うレベルを超えていますので、社員の育成や組織への貢献の機会を提供しないとレベルアップが難しいと言えます。専門性が高く、広い分野で経験のあるメンターを養成し、メンター相互での協力関係を促す支援チームの結成が成功の秘訣になります。 |
ITSSを支えるメンター養成プロジェクト事例 |
ITSSは、基本的には、メンタリング体系に基づいたキャリア評価システムであり、レベル3から、レベル4へのキャリアアップを支援するジュニア・メンター、レベル4からレベル5へのキャリアアップを支援するシニア・メンターを養成することが、ITSSの導入をスムースに進める基本になります。そのスムースな導入を支援するメンターとしての基本姿勢、メンタリング体系の基本理念、レベル4及びレベル5としての心構え、メンターとしてのやりがい、支援法、メンター同志の協働環境の必要性を学ぶ必要があります。行動と責任の明確化、プロジェクト・マネジメントでのチェックポイントを把握する必要があります。 下記は、あくまでも事例であり、詳細内容は、お客様との打ち合わせにより、提案させて頂きます。無料見積依頼は、こちら。 |
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